「矢追純一UFO」特集
「日本オタク大賞」(扶桑社)という本の184ページに、「オカルトプラスやおいという感じのマンガが多い」という記述が出てくる。
しかし我々の世代にとって、マンガというジャンルと関係あるかはさておき、「やおい」といえば「オカルト」、「オカルト」といえば「やおい」である。(「マジボケは止めろ」という批判には一切答えないぞ!(爆))
1935年に中国大陸は満州・新京で生まれ、1960年には中央大学法学部を卒業。日本テレビに入る訳だがどこでどう間違ったのか、はたまた自分でも判っているのか怪しい道をばく進、「UFO」や「宇宙人」はもちろん、「ユリ・ゲラー」「ニューネッシー」から「オリバー君」に到るまで、胡散臭い(誉め言葉)ネタをその時その時のバカなガキどもに啓蒙。研究家というにはやや(いや、かなり・・)問題があるものの、その影響力は未だに大きく、UFO事件がひとたび起こればコメンテーターとしてテレビ界狭しと駆け回り、ついでにハワイの怪しい大学の講師や「宇宙塾」という怪しげなセミナーを主宰する矢追純一氏。昔の「著者近影」に比べると顔の怪しさがかなり増した(誉め言葉)矢追純一氏。
しかしその著書というと(古本屋で100円で良く売っているものの)「ちょっと買うのに勇気が必要」だったり、「ちょっと信憑性が無」かったり、ちょっと「他の本の方が詳しいかな」と思ったりという問題点はある。もっともこれは「研究書」として見てしまった場合のことであり、エンターテインメントとして見ると、「ちょっと内容がヌルいかな」とか「もうちょっと面白い本あるよな」と思ってしまうという問題点がやっぱりあって・・いや、でもその辺は「解釈の問題」なのではないだろうか?
このコーナーは「矢追さんの本をもっと面白がって読もう!」という企画である。
緊急スペシャル!!
矢追純一UFO極秘ファイル
発行:竹書房
以前より矢追さん原作のマンガと言うモノは存在した。例えば「軍用のヘリコプタで「メインローター」(大きいプロペラの事ね)の存在しないものを目撃した男が居る!」とかそういうものだった。
(余談ながらヘリでも後ろに付いている「テイルローター」の存在しないモノは開発されている)
しかし、この本は全て「新作」、「書き下ろし」なのである。しかもコンビニ売りである。「衝撃的なUFO映像の舞台裏が今・・明らかになる!!」って事で、「ああ、ついに矢追さんも『本当の事』を言っちゃうのか・・」とちょっと感慨にふけっていたのだがトンデモ無い!! 相変わらずの矢追節炸裂なのである!! ああ、詳しい事は順次書き足していくが、とにかくこの本を見逃してはならない!!
まずは表紙、「あなたはこの事実をどう受け止めますか!?」。
「事実」っていきなり断言してしまうか!!
表見返しには「世界を震撼させたUFO墜落事件の真相が本編で明らかになる!!」
煽り文句は天下一品と言える。もちろん「事実」「真相」なんてこの人に期待してはいけないのだが(笑)。
その下に「1947年7月7日、ニューメキシコ州ロズウェルにて、米軍専属のカメラマンが軍の依頼で撮影したといわれるエイリアンの写真」というものが掲載されている。
これは明らかにUFOマニアの間で通称「トマトマン」と言われる写真なのだ。
1980年の夏にあちらの雑誌に掲載された写真であり、撮影は「1948年7月7日」という事になっていた。日本でも「焼けこげた宇宙人の死体」として有名になったあれである・・・1年ずれとるやん!
最近出版された矢追さんの盟友(?)並木伸一郎さんの本「宇宙人の謎」にも、「1948年7月7日、テキサス州ラレドの南、メキシコ領内のヌエボ・ラレドとサピナス河の中間地点にUFOが墜落・・」したときの写真と記載されている。
「どちらが真実か?」ではなく「どちらがアメリカUFO神話の定説に近いか?」って事になってしまうのだが、やっぱり並木さんの説の方が元ネタに近いと言えると思う。
もしかしたら矢追さんの新発見なのかもしれないのだが、それならそれで詳しく解説されていないのが残念。
もちろんこの写真の特徴、宇宙人の肩の下にある「メガネ」もはっきり写っている。
そして前書き、さらに怪しい感じになった矢追純一氏がポーズをとった写真が雰囲気を盛り上げてくれる。
「1947年7月4日・・”ロズウェル事件”です」さてと、いきなり突っ込みを入れてみよう。
「ロズウェル事件(神話)」の発端は7月2日の夜、ウィルモット夫妻による目撃より始まる。
「円盤」の残骸がサン・オーガスチン平原(セント・オーガスタン等とも表記)でバーニー・バーネットらにより発見されたのが翌7月3日の朝、150マイル離れた所でウィリアム・W・ブレーゼルが野原に散乱する破片を見つけているのも同じ朝。
保安官に話をするのが7月6日、陸軍将校のマーセルらが調査するのが7月7日・・・どこにも「4日」なんて出てこないのだが・・・いや、この「間違い」、本編でも同様である。
「一般大衆の記憶というのはあいまいなものである・・・」はまさにその通りだ。
1947年7月の段階では「空飛ぶ円盤目撃」はあったものの、正体は全く判っていなかったし、ましてや「異星人の乗り物」などという「定説」も生まれていやしなかったのだ。
それが当時から異星人の宇宙船に関する神話が存在したように一般の人は考えているから恐ろしいのだ。
「みなさんには無意味に周囲に右ならえして、自分の一生を台無しにしてほしくはありません。そして自分の目の前の情報の何が真実で、何が偽物なのか、周りに惑わされず見極める目を持ってもらいたいと思います。」
さすがに良いこと言う。私も子供の頃から周囲の「UFOは異星人の乗り物」という考えに「右ならえ」せず、「存在するが正体の判らない物体」として考え続けてきた。そして「真実」と「偽物」を見極める事の大事さも判っているつもりでこの文章を書いている。ただ、「一生を台無しにして」いないかどうかは判らない。いや、逆に「こんなものに興味を持たなかったら・・」っていうのはちょっとだけ考えているのだが(笑)。
さて目次であるが、下の方にちょっと注目していただきたい。
「登場する人物・団体・事象等が一部異なる場合があります」・・いやはや・・「真実」とは何なのであろうか? ちょっと考えさせられる言葉である。
FILE1 ロズウェル事件57年目の真実
まずはUFO事件としては世界一有名と言っても過言ではないこの事件から。3部に分かれているのだが一度に紹介しよう。矢追さんが本棚の前に置いたデスクに座っている。これが「矢追純一オフィス」なのだろうか?
舞台は1947年7月8日のロズウェル陸軍航空隊基地へと移る。「軍は確かに墜落したUFOを回収したんですね!?」と質問する記者。みなさんおわかりであろう。この時点で「UFO」という言葉は使われていないのだ。何しろ「フライング・ソーサー」「空飛ぶ円盤」という言葉が生まれた「ケネス・アーノルド事件」がこの年の6月24日、まだその正体が何であるかも判っていない時期。軍の秘密兵器説やソビエトの偵察機説がすぐに出てきたようだが、未確認飛行物体すべてをひっくるめた「UFO」はこの時点では使われていない。ここでは「空飛ぶ円盤」と書くのが正しいだろう。
なお「UFO」という言葉は1949年4月に著書の中でシドニー・シャレットが使用、1951年にルッペルト大尉により普及されるというのが一般的である。
事件は7月3日、外(砂漠)に車で出ていたカップル(「ベイビー、今晩いいだろ?」とか言っちゃって何やら怪しげ)の目撃より始まる。轟音をあげ、煙を噴き、あたりに震動を与えながら落下する一つの飛行物体・・これがウィルモット夫妻なのだろうか? 「政府ファイル UFO全事件」によれば「二人は7月2日の晩、9時50分ごろ、サウス・ペン105番地の自宅のポーチに座っていたが・・」とある。状況がセンセーショナルに変更されているような気がするが、これが「矢追さんの説」なのだろう。物体については「政府ファイル UFO全事件」では「楕円形で一枚の皿の上にもう一枚の皿を逆さにして重ねたか、旧式の洗面器を同じように重ねたように見えた」とあり、「人類はなぜUFOと遭遇するのか」にも「物体は楕円形をしていて、二枚の皿を裏返しにして、互いの上面を貼り付けたような形」「その内部は火が燃えているかのように輝いていた」とある。煙や轟音や震動はどこから来た話なのだろうか? ロズウェル本は色々出ているようなので、見つけた人は連絡してほしい。マジで。
なお「第二弾」が発売されるかも・・という情報もあるのだが・・・
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